貨幣市場_01_投資の限界効率論
ここからは、貨幣市場について勉強していきます。
新しいステージに進むまえに、改めて確認しておくと、僕たちがココで勉強しているのは、
『経済を構成する様々な要素が、国の豊かさの指標であるGDPにどう影響するのか』
ということです。
『経済を構成する様々な要素』とは、大きく分けると、
Y = C + I + G + X - M
こんな風に表されることを学びました。
「消費」「投資」「政府支出」「輸出」「輸入」が国の経済に影響を与えている大きな要素です。
これまでに、C「消費」とG「政府支出」がどうY「GDP」に関わっているのかは勉強しました。
ここから扱う貨幣市場では、I「投資」について詳しく見ていきます。
企業が行う投資は、どのように決定されているのでしょうか?
投資の限界効率論
基礎的なマクロ経済学では、投資は利子率と関係していると考えます。
ある会社がこれから行おうとしている投資プロジェクトについて考えてみましょう。
1000万円の費用がかかりますが、1年後には50万円の利益を産む投資案件があるとします。
もし利益が確定しているのなら、もちろん投資は行われるでしょう。しかし、もしいま企業に十分な資金がなく、銀行からお金を借りなければいけない状況ではどうでしょうか。
お金を借りれば、もちろん利息をつけて返さなければなりません。
いま仮に、利子率が5%/年だとします。
投資に必要な1000万円を借りると、1年後には1050万を返済しなければなりません。
せっかく儲けた50万円が、利息に消えてしまうなら、投資をしても意味がありません。
でも、もしも利子率が5%/年よりも低ければ儲けが出るので、企業はお金を借りてでも投資を行うでしょう。
企業に十分な資金がある場合も、実は同じロジックが働きます。
先ほどと同じように、1000万円の費用で、1年後には50万円の利益を産む投資案件があるとします。企業には1000万円の資金がある状態です。
この企業は、この1000万円で投資を行うことができますが、同時にだれかに貸すこともできます。
もし利子率5%で借りたいという別の企業が現れれば、そちらに貸してもいいわけです。
かりに利子率が6%であれば、1年後の儲けは60万円。投資よりも貸した方がお得です。
このように、投資が行われるかどうかは、利子率に大きく関わっています。
- 利子率が低ければ、投資のうまみが増し、投資が増えます。
- 反対に、利子率が高いと投資のうまみは減少し、投資が減ります。
注意!
投資の限界効率論は基本的な投資理論ですが、実際の企業は利子率のほかにもさまざまな要素を考慮しながらお金の使い道を決定します。そのため、このほかにもいくつか投資理論が存在しています。
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