貨幣市場_02_ケインズの流動性選好説
前回、投資が利子率に大きく関係していることを勉強しました。
利子率が高ければ、投資にお金を使うよりも、お金を貸すうまみが増すので、投資が減ります。
反対に利子率が低い時には、お金を貸してもリターンが少ないので、投資の方が魅力的に感じます。
では、この利子率はどのように決定されるのでしょうか。
もし利子率をコントロールできれば、国の経済に関わる重要な要素をコントロールできることになります。
結論を先にいうと、マクロ経済学において利子率は「貨幣需要」と「貨幣の存在量」によって決定されます。
まずは貨幣需要から詳しくみていくことにしましょう。
ケインズの流動性選好説
貨幣需要とは、文字どおり貨幣の需要のことです。
人はどんな時に「貨幣を持ちたい!」とおもうのでしょうか。経済学者のケインズという人は、大きく分けて3つの動機があると考えました。「取引動機」「予備的動機」「投機的動機」の3つです。(入門マクロ経済学では、「予備的動機」についてはあつかいません)
「流動性」とは「交換のしやすさ」のことです。貨幣は、物やサービスと交換したり(取引)、資産運用に使うことができます(投機)
貨幣は銀行や誰かに貸していれば、利子がついて儲かります。でも、ふつうの人なら全財産を貸し出したりはせず、現金もいくらか持っていたいですよね。
それはなぜかというと、現金はほかのものとすぐに交換できるから、つまり「流動性が高い」からです。
流動性選好説とは、ざっくりいうと「現金には高い流動性があるから人はそれを需要するのだ」という説ですね。
この世の中でもっとも流動性が高いものは貨幣なので、貨幣のことを別名「流動性」と呼ぶこともあります。
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