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政府支出乗数_02_政府支出乗数

前回は

について勉強しました。

keizaiabc.hatenablog.com

1兆円の政府支出でも、世の中の人をぐるぐる回って、GDPをその1兆円以上に押し上げる、そんなストーリーを展開しました。

では、実際にその波及効果は何倍になるのか(乗数)を計算してみます。

 

おさらい

まずはおさらいから始めます。

マクロ経済学でもっとも重要な式は、

Y = C + I + G + X - M

GDP=消費+投資+政府支出+輸出ー輸入

でした。

また、この式に含まれているC(消費)を決定する式は、

C = C0 + c( Y - T )

消費=基礎消費+限界消費性向(所得ー税金)

です。

2つの式を巡りながら、Y(GDP)が増えていく、これを波及効果といいました。

 

f:id:yushph:20160728170958g:plain

 

2つの式をまとめて考える必要があるので、まずはこれらを1つの式にまとめます。

『Y = C + I + G + X - M』に

『C = C0 + c( Y - T )』を代入します。すると、

  • Y* = C0 + c( Y - T ) + I + G + X - M

これを計算していくと、

  • Y* = C0 + cY - cT  + I + G + X - M

以前、財市場の均衡グラフを作ったときと同じ式です。

Y*が示してしるのは、2つのグラフが交わっているE点です。

 

f:id:yushph:20160729145558p:plain

 

cY を移項すると、

  • Y* - cY = C0 - cT + I + G + X - M

左辺を Y でくくると、

  • Y* ( 1 -c ) = C0 - cT + I + G + X - M

最後に「Y* =」のカタチにするために両辺を( 1 - c )で割ると、

  • Y* = {\displaystyle\frac{1}{(1-c)}}( C0 - cT + I + G + X - M )

となります。

 

今回は、政府支出「G」を増やして、GDP「Y」を増やしたい!というストーリーでした。

増やした分の「G」を「ΔG」と表すことにします。

同じ様に、結果的に増えた「Y」を「ΔY」と表します。

政府支出を増やしたときの式は以下の様になります。

  • Y* + ΔY = {\displaystyle\frac{1}{(1-c)}}( C0 - cT + I + ( G + ΔG ) + X - M )

グラフにしてみました。

 

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Gを増やした時の式から、もともとの式を引けば、どれだけ増えたのかがわかります。

  • Y* + ΔY = {\displaystyle\frac{1}{(1-c)}}( C0 - cT + I + ( G + ΔG ) + X - M )

から

  • Y* = {\displaystyle\frac{1}{(1-c)}}( C0 - cT + I + G + X - M )

を引き算すると、

  • ΔY =  {\displaystyle\frac{1}{(1-c)}}ΔG

となります。

これで、政府支出が「ΔG」増えたときに、GDPがどれだけ増えるか「ΔY」がわかります。

例えば、限界消費性向「c」が0.8のとき、  {\displaystyle\frac{1}{(1-c)}}={\displaystyle\frac{1}{(1-0.8)}}=5

になります。

政府支出の増加分ΔGが1兆円なら、GDPの増加ΔYは5兆円になる、ということです。

この{\displaystyle\frac{1}{(1-c)}}政府支出乗数」です。

限界消費性向「c」が具体的にわかれば、何倍になるのかがわかります。