45度線分析_02_消費関数
前回は財市場の「供給面」について勉強しました。
今回からは「需要面」についてみていきます。
需要とはつまり、その財を求め、手に入れる(買う)ことですから、三面等価の「支出面」の式から考えていきます。
財市場の三面等価はこの3つの式でした。
- 「Y」は生産された付加価値の合計なので「生産面」
- 「C+I+G+(EX-IM)」はお金を払って買う人たちの話なので「支出面」
- 「C+S+T」は人々の所得になった付加価値の分配先です。「分配面」
これら3つはイコールの関係です。
Y:付加価値・GDP(Yeild)
C:消費(Consumption)
I:投資(Investment)
G:政府(Government)
EX:輸出(Export)
IM:輸入(Import)
S:貯蓄(Saving)
T:税金(Tax)
財市場の需要を「Yd」とすると、「Yd」は以下のようにあらわされます。
Yd=C+I+G+(X-M)
供給面「Ys=Y」と比べると多くの要素が含まれていますね。これから各要素を個別に見ていきます。
ちなみにYdのことを別名「有効需要」と呼ぶことがあります。覚えておいてもいいでしょう。
消費関数
まずは「C」から。
「C」とは「消費」のことでした。
消費を行うのは家計ですが、家計はどんな行動をするのでしょう。
三面等価の分配面を覚えているでしょうか。
- 「C+S+T」は人々の所得になった付加価値の分配先です。「分配面」
生産された付加価値「Y」は家計の所得となります。
所得の使い道は3つでした。
「消費「C」」か「貯蓄「S」」か「税金「T」」です。
生産された付加価値「Y」が3つの使い道に分配されるので「分配面」とよばれているのでした。
家計がどんな風にして所得Yを分配し、消費の量を決定するのかを詳しく式にしてみると、以下のようになります。
C = C0 + c(Y-T)
人間はなんやかんやお金を使って消費しないと生きていけません。たとえ所得がなくても生きている限り消費はします。この生きていくために最低限必要な消費のことを「基礎消費」といい、「C0」で表します。
生きていくために消費は絶対なので、C0 > 0
C0の値は0よりも大きくなります。
次に、(Y-T)についてですが、所得(Y)から税金(T)を引いています。
税金は必ず払わなければ捕まってしまいます。稼いだ所得を消費にまわす前に、まず税金を支払います。
(Y-T)は税引き後所得です。これを「可処分所得」と呼びます。
可処分所得の使い道(分配先)は2つです。
「消費」か「貯蓄」です。
可処分所得のうちどれだけの割合を消費にまわすか、という割合のことを「限界消費性向」といい、小文字の「c」で表します。
例えば、僕が10000円の可処分所得のうち、8000円を消費にまわし、2000円は貯金するとすると、限界消費性向は0.8です。
10000 x 0.8 = 8000
10000円の可処分所得を全て消費する人の限界消費性向は1です。
10000 x 1 = 10000
通常、所得以上に消費をする人はいないので、
0 < c < 1
c は 0以上、1以下になります。
今回は、家計が消費するときの行動を式として表してみました。
最後にこれからの分析のため、この式をグラフにしてみます。
C = C0 + c(Y-T)
この式をグラフにとってみます。
中学校で習う比例の式「Y=aX+b」と同じです。
Cを縦軸に、(Y-T)を横軸にとります。
C0は切片に、cは傾きになります。
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