財市場と三面等価
市場
市場は「しじょう」と読みます。
モノやサービスが取引される、つまり売ったり買ったりは市場を通して行われています。
実際にお店が存在していなくても取引があれば市場は存在します。ニュースでよく耳にする為替市場などがその例です。
財市場
マクロ経済学では1つの国のすべてのモノやサービスが「財市場」という大きな市場で取引されると仮定します。
一方で、小さな視点からみるミクロ経済学では、リンゴの市場はリンゴ市場、みかんの市場はみかん市場、といったように別の市場で取引されると考えます。
リンゴ1個とみかん1個では単位が異なるので足し算できない、と考えているのです。
10g+1m=???と言われても単位を揃えなければ計算できません。
しかし、リンゴ1個の付加価値が20円、みかん1個の付加価値が30円とすればどうでしょうか。
このように、付加価値を共通の単位としてすべてのモノ・サービスをまとめて扱う市場が財市場です。
GDPの三面等価
市場にはモノやサービスを売る人と買う人がいます。
モノを買う人は、モノが欲しいから買います。経済学では「欲しい」というのを「需要」と表現します。
モノを売る人は、お金と引き換えにモノを欲しい人に与えます。これを「供給」と表現します。
取引(モノの売り買い)が成立した=
需要者が財を買い、お金を払う。供給者は財を生産し与え、お金を受け取った。
ということになります。
例を使ってみてみましょう。
アパレルメーカーから服を1万円で買うとします。
アパレルメーカーは1万円を受け取りますが、原材料の糸を仕入れるのに3000円かかっているとすると、儲けは7000円です。
そのため厳密に考えるなら、お客さんが払った1万円のうち、本当の意味でアパレルメーカーに支払われた金額は7000円ということになります。アパレルメーカーが生み出した付加価値は7000円で、残りの3000円は糸を作った人が生み出した付加価値だからです。
その儲けた7000円は、従業員に給料を払ったり、税金を払ったり、株主への配当に使われます。また、その会社のための溜めておくこともあるでしょう。
ここに3つの異なる視点がありますが、どの視点から見ても金額は同じ、7000円です。
- お客さんがアパレルメーカーに支払った金額=7000円
- アパレルメーカーが生み出した付加価値=7000円
- 各方面へ分配された金額の合計=7000円
マクロ経済学では
- 取引金額を支出額として測るのを「支出面」
- 取引金額を生産額として測るのを「生産面」
- 取引金額を分配額として測るのを「分配面」
と呼びます。
この3つが等しくなることを三面等価といいます。
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